派遣という働き方

ホーム人材派遣を知る派遣という働き方

公正な待遇の確保

給与をはじめとする派遣社員の待遇は、労働者派遣法により以下の2つの待遇決定方式のいずれかを派遣会社にて選択して決定されなければならないとされています。また、派遣先は派遣会社の求めに応じ、派遣社員の業務遂行状況などの情報を提供するなど必要な協力をする必要があり、派遣社員の公正な待遇が確保できるよう、派遣料金についての配慮義務もあります。

派遣会社の求めに応じて提供が必要となる情報

  1. 【派遣先均等・均衡方式】
  2. ① 派遣先の比較対象労働者の待遇情報
    • 職務内容及び配置変更の範囲、雇用形態
    • その比較対象労働者を選定した理由
    • 待遇(昇給、賞与その他の主な待遇がない場合はその旨)
    • 待遇のそれぞれの性質および目的
    • 待遇のそれぞれの決定にあたり考慮した事項
  3. ② 待遇情報に変更があった場合その内容
  1. 【労使協定方式】
  2. ① 派遣先の労働者が利用する「給食施設」「休憩室」「更衣室」の情報
  3. ② 職務に関する教育訓練

派遣社員に適用される社会保険

社会保険に加入している事業所に常時使用(雇用)されている場合は、国籍にかかわらず健康保険および厚生年金保険の被保険者となります。有期雇用や短時間労働者の派遣社員であっても、以下の条件を満たす場合には社会保険に加入させなければなりません。
雇用期間確認書類
30日以内の有期雇用(日雇)1か月以上引き続き雇用されるようになった場合は、その日から
2か月以内の有期雇用所定の期間を超えて引き続き雇用されるようになった場合は、その日から
季節的業務での有期雇用4か月以上継続して雇用される予定の場合は、当初から
臨時的事業での有期雇用6か月以上継続して雇用される予定の場合は、当初から

派遣会社の求めに応じて提供が必要となる情報

一般社員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3未満の短時間労働者であって、次のすべてに該当する場合
  1. ① 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  2. ② 月額給与が88,000円以上であること
  3. ③ 継続して2ヶ月超の雇用が見込まれること
  4. ④ 学生でないこと
  5. ⑤ 被保険者数の合計が、1年で6か月以上100人を超えることが見込まれる法人・個人の事業所(特定適用事業所)に雇用されていること(2024年10月1日より50人超に改正)

キャリアアップ措置義務

労働者派遣法により、派遣会社は派遣社員の希望に対し、キャリアコンサルティングを実施することが求められています。また、派遣社員のキャリアが形成されるように教育訓練計画を立て、入社時研修やOJTを含む具体的な教育研修を行わなければなりません。
  1. ① 希望者に対するキャリアコンサルティングなどの実施
    • 派遣労働者のうち希望者全員が対象
    • キャリアコンサルティングの知見を持った担当者を配備(資格の有無は問われません)
  1. ② 計画的な教育研修(段階的かつ体系的な教育訓練)の実施
    • 派遣労働者全員が対象
    • 有給無償
    • 入社時教育研修(必須)
    • キャリアアップに資する内容(OJTも含む、訓練計画書作成が必須)
    • 無期雇用の派遣社員には長期的なキャリア形成を視野に入れた内容
    • フルタイムで1年以上の雇用見込みの者には毎年8時間以上必要(3年間)

雇用安定措置

労働者派遣法により、派遣会社は、派遣社員のキャリア志向(正社員志向・派遣社員志向など)に配慮しながら、就業継続を希望する派遣社員に対し、下記の雇用安定措置のいずれかを行うことが求められています。
  1. 派遣先への直接雇用の依頼
  2. 新たな派遣先の提供(合理的なものに限る)(派遣元での無期雇用派遣も含む)
  3. 派遣元での無期雇用(派遣労働者以外としての)
  4. その他の安定した雇用の継続を図るための措置(有給の教育訓練、紹介予定派遣など)
  • (1)を実施した場合に、直接雇用されなかったときは、(2)~(4)までのいずれかを実施する。
雇用安定措置の対象となる派遣社員は派遣期間により変わります。
対象となる派遣社員派遣会社の責務
同一の組織単位に継続して3年間派遣される見込みがある方(1)~(4)のいずれかを行う義務
※(1)を行っても直接雇用されなかった場合は、(2)~(4)のいずれかを行う
同一の組織単位に継続して1年以上3年未満派遣される見込みがある方(1)~(4)のいずれかを行う努力義務
上記以外の方で派遣会社に雇用された期間が通算1年以上の方(登録状態の方も含む)(2)~(4)のいずれかを行う努力義務

派遣協会が行っているキャリア形成支援事業

日本人材派遣協会では、キャリアカウンセリングの窓口を開設し、キャリアカウンセリング資格を持った専門家が、派遣社員の方々のキャリアプランや仕事上のご相談も受け付けています。
会員企業のキャリア形成支援担当者向けには各種セミナーを実施しており、一部の講座は非会員にも公開しています。また、会員企業が派遣社員に適切に教育研修の機会提供が行えるよう、eラーニングサービス「JASSAキャリアカレッジ」を提供しています。